【足育のすすめ】足と脳の関係。実は最先端だった江戸時代の足育にせまる!

唯一地面と接地してカラダを常に支えている「足」。

その「足」は思った以上に私達の人生に影響を与えていることがわかってきています。

足に問題意識をもち、足育について学び直そうとしているアナタは間違いなく感度の高い人だと思います!

足について学び直すことによって、アナタの体の不調はもちろん人間関係も解決していく!?

灯台下暗し!身近だけど見落とされていた、だけど実はとても重要な「足育」について深掘りして行きましょう。

そもそも”足育”とは??

近年では学校教育でも″足育″が進められています。

足育と教育そのものの係わりなどにも関心が向けられ始めていて、今最も旬なテーマの1つです。

足育の専門家「足育先生(山田宏大氏)」によると、足育は次のように定義されています。

足育とは、足・足指・爪、さらに靴の選び方や履き方について正しい知識を得て、理想的な足を育てるということです。

出典:©山田宏大/足育先生HP

現代人のほとんどが足にトラブルを抱えている!?

そして、知っておいてほしいのが、

今、子どもの9割に足の変形があると言われています。足に何らかのトラブルを抱えている子どもが多く、それに気づかないまま成長して大人になり、様々な身体の悩みを感じるようになっています。

出典:©山田宏大/足育先生HP

ということです。なんと9割

お子さんはもちろん、大人の私たちにも無関係ではいられない、もはや人類共通の課題になっています。

実際にデータをみてみましょう。

出典:原田碩三HP/©️原田碩三

これまで20万人以上の足を見てきた原田碩三先生の研究結果によると、土踏まずができている5歳児の割合は、

1980年:75%⇒2004年:46%

そして浮指に関してはもっと驚きで、なんと浮き指が1本もない5歳児の割合は、

1980年:93%⇒2004年:8%

となっています。

実に9割の子供が浮指になっているのです。

外反母趾の5歳児も全体の3割近くになるから、いかに幼少期の足育環境が変わってきていることがわかります。

もちろん大人もいわずもがな。

こちらの画像を見ると足がすごく変形しているのが分かります↓

 

ここまでではないにせよ、僕らの足は何かしらトラブルを抱えているわけです。

例えば、

  • 内反小趾
  • 外反母趾
  • 浮き指
  • 寝指
  • 魚の目
  • 足裏の痛み
  • 扁平足

などの症状として僕らの足に現れています。

そして実は、それが足だけではなく体の至るところの不調に繋がっていることが様々な角度からわかってきています。

ということは、体の土台(足)が歪みを整えていく事によって僕らの体にプラスな働きをするのは間違いないです。

人間の足の形は幼少期の生活環境で変わる??

ほとんどの人に足のトラブルがあることはわかったわけですが、この主な原因はというと・・・

それは幼少期の頃の生活環境にあります。

では、そんな幼少期の足にとって悪い影響のある生活環境をいくつか見ていきましょう。

①外遊びが少なくなった

現代ではゲームなどの室内で遊べる器具が増えたこともあり、外遊びする子が圧倒的に減っていると言われています。

それによって足を使うことが減り、足自体の発達も遅れているようです。

②乳幼少期のハイハイ不足

最近ではこのハイハイを軽視して安易に早く立つ事が良いみたいな風潮がありますが、ハイハイは体が成長するにあたりすごく大切な要素を含んでいます。

それはハイハイの動きのなかで、立ったり、歩いたり、ジャンプしたり、しゃがんだり、走ったりする為に必要な骨や筋肉や関節などがバランス良く育っていくということ。

だからハイハイ不足だと、本来育っているべきカラダのパーツ、特に足元が育たなくなることを知っておきましょう。

③子供の靴選び問題

子供の足は骨が未完成でどんどん成長します。

その成長に合わせて靴を変えるのが理想ですが・・・

子供の足の成長を把握していない、そもそも気にしていない、金銭的な問題などなど。

様々な理由で結局サイズの合わない靴を履かせてしまっています。

それが足を大きく変形させる原因になっているんですね。

 

こうして、幼少期という足の成長のスタート地点で私達はしくじってしまっています。

そして、その第一ボタンのかけ間違えが、その後の人生に大きな影響を与えていることを私達は知らないのです。

知られざる足と姿勢、そして脳の関係…

これからとても大事な話をします。

実は「足の育ち具合」と僕らの日常の姿勢がダイレクトに影響しているという話です。

出典:外反母趾・フットケアのカサハラページ/©️Ashiura Balance Laboratory.

体の土台である足にトラブルがあることを例えるなら、

「歩く度に小さな地震が起こっているようなもの」

だということ。

↑の画像でもわかるけど、その揺れは姿勢を悪くし、全身に歪みを与え続けます。

それは上に行けば行くほど強くなり、脳にいたってはガンガン揺れているわけです。

えっ?今も揺れてますよ(笑)ちょっと歩いてみてください。

それに気づいてないのがヤバいんです。

最初は小さな地震から始まって、徐々にその地震は大きくなっているんですが、その揺れに私達は慣れてしまっているわけです。

だから、私も気づかせてもらったときは衝撃でした!

「うわっ、気持ち悪ッ」って言っちゃったw

その地震が積み重なり、やがて大きな地震(病気)になります。

だからこそ足のトラブル、そしてその姿勢はダイレクトに僕らの体の不調に影響を与えていることを知っておきましょう。

足育が脳育だ!足と脳の位置の関係

足育をして足が本来備わっていた機能性を取り戻して行くと、足裏の感覚が良くなり体重をしっかりと足裏に乗せることができるようになります。

すると足指の細かい動きが良くなったり足の付け根なども連動して柔らかくなります。

そうやって下半身が育つと、実は肩甲骨が緩んで、肩や首の凝りも緩和されるんです。

そして、“脳を正しい位置で支えられる“

ここで大切なポイントが、足という土台が崩れている事により最もダメージを受けるのが人体の最上部に位置する「脳」ということ。

そうやって脳を正しい位置で支えられなくなり、アゴが前に出て血流を正しく脳に運べなくなり思考が途切れ途切れになる。

別の表現をするなら妄想癖が強くなります。

ちなみに今スマホをみてるときも少しアゴが出ているんじゃないでしょうか?

実はそんな脳の位置だからこそ、ゲームやアイドルやSNSなど、自分の妄想を投影できるコンテンツがヒットする背景もあると思っています。

そんな妄想の拡張・仮想空間は確実にあなたが人と関係性を育む時間を奪います。

そして、本来望んでいたはずのリアル世界での居心地の良さはまた一つ遠のいていく。

そこから一歩進むためにも、舐めずにまずは足(土台)から育てていく必要があるという訳なんです。

じゃあ足に良いものは?

ここまで足について語ってきたわけですが・・・

さて、今日アナタは足を何回意識したでしょうか?

おそらく多くの人があまり意識を向けていないのが正直なところではないでしょうか?(こんな事言ってる私も今足を忘れていました。危ない危ない)

次は、身近な足に良いものを見ていきましょう。

①雪駄

今では目にする事が極端に減ってきている雪駄。

でも雪駄を履いたことがある人なら分かるかも知れませんが、雪駄は足指を使わないと歩きづらい。

雪駄を履くと、普段足指使って歩いていなかったという臨場感が湧くでしょう。

②畳

畳はフローリングに比べて比較的に柔らかい。

足や膝などへのダメージも少ないうえに、あの表面の凹凸が足裏を刺激してくれます。

足からの情報量が増え、足が育つわけです。

③しゃがむ

ハドザ族

出典:ナゾロジー「現代の狩猟採集民族が健康な理由は「しゃがむ」姿勢にあった」/©David Raichlen/2017-2021 kusuguru Inc.

WHO(世界保健機関)の調べでは、1日の座位時間が4時間未満の成人に比べ、11時間以上座っている人は死亡リスクが40%も高いことが分かっています。

でもこの場合の座るは「イスに座る」です。

こういう話があります。

タンザニアに住む狩猟採集民のハドザ族の座る時間は、先進国の現代人と同じくらいで最長9〜10時間に達していました。

しかし、ハドザ族には座りすぎによる疾患がほとんど生じないといいます。

その秘密が、実は休憩姿勢が椅子に座るのではなく「しゃがむ」姿勢にあるというのです。

座るにしても、足裏にしっかりと体重がのる、この「しゃがむ」姿勢はおススメです。

 

以上3つほどあげましたが、気付きました?

「雪駄」も「畳」も「しゃがむ」も昔の日本では普通の生活習慣だったはずです。

最近では見る機会が減ったんですけどね。

つまり近年では子供はおろか大人も足が使いにくい生活習慣(構造)に変化してしまったことがわかります。

個人,個人の意識や体のクセだけではなく、この生活習慣(構造)そのものが足の機能性を下げる原因になっているんですね。

日本人が無くした足育文化

例えば、サラリーマンが毎朝着るスーツや靴も、家のフローリングも、毎日踏みしめる道路のアスファルト、出勤に使う電車バス、更には銀行システムも全て西洋から来ています。

文明開化、富国強兵の名のもとに西洋の学問や医学、科学を取り入れることで、スゴいスピードで発展していき現代社会の基礎を作り上げたんですね。

そうした環境変化とともに和人の体の扱い方が西洋的な体の扱い方になっていきました。

それにより僕らは西洋的な頭の使い方を覚えていきます。

もちろん、たくさんの恩恵をうけました。

しかし、あの世界大戦の敗戦を経て、僕らは「東洋<西洋」的な世界観にどんどん埋もれていきました。

そうして、日本の身体文化、古くから受け継いだそれでいて最先端の足育環境を失ってしまったのです。

足育文化とともに亡くなったもの

さらに江戸、明治までの日本人の暮らしぶりを学んでいくと、今の西洋化した日本人よりも変化に適応しやすく、自分と違う他人とも快く協力し合うような空気感で社会を作っていたことがわかります。

そしてもう一つ、大きく失った文化に気づきます。

それが「持ちつ持たれつの文化」です。

この持ちつ持たれつという暮らしを強く持っていたのが”江戸時代”。

その象徴といえるものがあります。

「長屋」です。

「長屋」とは、一棟の細長い建物を複数の所帯で住み分ける住居のこと。つまり江戸時代の集合住宅に位置付けられます。

出典:フォト蔵「長屋」©️はまきち/Photozou Co.,Ltd.

この長屋で住む人達は、血のつながりがなくとも家族や親戚親友レベルの人間関係だったと言われています。

 

“向こう三軒両隣”

“遠くの親戚よりも近くの他人”

 

これらの言葉が象徴するように江戸時代ではご近所さんとの地縁による支え合いが日常的に行われていた事がわかりますね。

江戸庶民の多くは固有資産を持たず、仲間同士の支え合いの中で暮らしていました。

日頃からモノに対して「個人の所有者」としての概念があまりなく「共有財産」としての認識がかなり強かったといいます。

江戸庶民の経済的余裕の基準が驚くほど低くかった?

経済的余裕は人によって異なりますが、今の時代、向こう1年くらいの貯蓄があって経済的余裕とか言えるのが主な認識だと思います。

しかし、江戸庶民はなんと翌々日の生活の見通しが立っていれば経済的余裕があると認識されていました。

つまり、翌々日以降の生活はあまり考えていませんでした。

その背景にあるのがやっぱり「持ちつ持たれつ」という考え方です。

翌々日以降の食材など余ってる人が次の日の食材がない人に分ける。

そしたら自分が次の日の食材がない時に翌々日以降の食材が余ってる人から分けてもらう。

その助け合いの連鎖で経済的余裕がほとんどない江戸庶民達は暮らしていたといいます。

ちょっと考えさせられます・・・

現代ではネットが普及して繋がれる人は江戸時代の何百倍にもなりました。

なのに僕らは近所の人の顔すら知らないのが当たり前です。

こんなにすぐ人と連絡がとれるのになぜか息苦しい。

そうやって人と支え合えないあまりに未来への恐怖も強くなっていきました。

その恐怖心を埋める為により多くのお金を貯金する。

そうすることでその恐怖の穴埋めをしていく。

こんなに僕らが人とともに生きれなくなった背景に絡んでいるのが、足の形の変化=土台が崩れ、柔軟な体つきを失って、一方向的な頭でっかちのカラダになっているからだとしたら・・・

例えば、赤ちゃんが成人した大人よりも毎日ものすごい勢いで成長するのは、脳にまだ情報がないから吸収することがあるのはもちろん、柔軟なカラダつきをしていて偏見が薄く、あらゆることから学ぼうしているからです。

足育をして柔軟なカラダつきになれば、脳は若返り、長年にわたりこびりついた偏見が取れていきありのままの事実が見えてくる。周りに支えられていることを感じられるようになり、恐怖心は薄まります

そんな柔軟なカラダつきになるにはまずは体重をしっかり支えられる足を育てることから始まります。

二本の足でしっかりと大地を踏みしめ、軸が立った柔軟なカラダつきを手に入れましょう。

そのカラダを持ち合わせて集えば、他者との違いをすんなり受け入れられて、違いがあるからこそ補い合える江戸時代の長屋の様な地縁を作っていけます。

大人の足育とは施術ではなく生活習慣にあった??

ここまで足育について色々話してきたけど、足を育てることの大切さは伝わったでしょうか?

今まで足を気にしていなかったことを「もったいないことしてた!」と少しでも思っていただけたらうれしいところです。

最後に「よっしゃ!足を育てよう!」と思った方へ、おすすめの足育習慣をつづって結びとしたいと思います。

これもまた古来から日本に伝わる生活習慣です。

それは座り方

日本では昔から様々な座り方をしてきました。

あぐら、きざ、かつざ、たてひざ、せいざなど。

他のどの国よりも座り方の種類が多い。

そんな中、さらに古い1万年以上も前から縄文人が休憩姿勢としても取り入れていた座り方があります。

それが「蹲踞」

先ほどの狩猟民族の話が伏線だったわけですが、しゃがむ姿勢+αな姿勢を縄文人は休憩姿勢として、当たり前のようにとっていました。

彼らもまた「所有する」ことをしない狩猟採集を中心とした生活をしていました。

貯蓄も何もないにもかかわらず、恐怖心は薄く、争いや戦争がほとんどない平和な時代をなんと1万年以上も享受していました。

柔軟なカラダ、柔軟な生き方が自然との調和のとれた暮らしを実現していたんですね。

その蹲踞は、今では相撲や剣道、神社の礼法などでも受け継がれていたりするんですが、それについては2039.jpの他の記事で色々な角度から説明しているから細かい説明は割愛させてもらいますね。

一応サービスで(笑)長い長い歴史を持つ蹲踞のメリットについて3つくらい紹介しておきます。

  • 蹲踞を続けると足からカラダが柔軟に育っていき、姿勢が良くなって肩こり腰痛などの体の不調が緩和されていく。
  • 頭に登っている血を足に巡らせる事により無駄な悩み(雑念)に捉われることが目に見えて減ってくる。
  • 蹲踞は肚の感覚を研ぎ澄ませる稽古でもありそれによって一念(直感)を養う感性が高まる。

一日2分取り入れていくだけで、お得なメリットをえられます!

色々足育について調べたけど、知りうる限り最高の足育習慣と思われます。

(ちなみに手術や施術による治療はオススメできません。足は日ごろの習慣からつくられるので、対処療法だとまた戻ってしまいますからね)

是非チャレンジしてほしいです。詳しい蹲踞のやり方は下のバナーをクリックしてみてください。

足からカラダを育てていきましょう!

なんていうか、和の身体文化を養う価値は、令和の時代にもっと広がっていくと思うんですよね。

だって、全ての問題、喜び、憎しみ、悲しさ、悔しさ、愛おしさはこのカラダあっての事ですから。