バタフライエフェクト効果 ~小さなことを大きく捉えると人生は好転する~

運命を分けた途中下車
“ある少年” が、なけなしの五万円を握りしめ、
広島から東京へと向かう夜行列車に乗り込んだ。
目的はひとつ、一流のミュージシャンになること。
しかし、少年にとっては慣れない初めての長旅。
胸おどるキモチとは裏腹に、10時間以上も座りっぱなしで、おしりも痛くなってきた・・・
次は、横浜~、横浜~。
あ~もういいや、ココで降りちゃお♪えいっ!
あのビートルズの出身地リヴァプールも、横浜のような港町だったみたいだし、東京からも遠くはないからいいだろう。
ということで、ガマンできずに、勢いで途中下車した少年。
『さて、どうしよう。とりあえず、仕事と住むところを探さないとな・・・。』
夜明けを待って、横浜の街をぶらぶら歩いていると、運よく住み込みの仕事を見つけることができ、バイトをしながらのバンド活動をはじめる。
そして、その後、見事に夢を叶えた少年は、60才を過ぎた今も現役バリバリの第一線で活躍し続けているのだが・・・
とあるテレビのインタビューでこんなことを話していたのが印象的だった。
『俺は、あのときケツが痛くて、横浜で降りたんだよ。でも、今でもたまーに考えることがあるんですよ。もし、ちゃんと東京で降りていた場合の未来というものがあったとしたら・・・、どうなっていたんだろう?ってね。
もしかしたら、今のようなミュージシャンとして成功してるオレはいなかったかもしれないでしょ。
全然、ちがう仕事に就いてるってこともあるかもしれないよね。
まぁ音楽は好きだからやってたとは思うんだけど、少なくとも、まったく同じ音楽にはなってないと思うんだよね。
横浜で降りたからこそ出会った人たちがいて、経験できたことがあって、
あの街から隣にある大都会東京を睨みつけながら虎視眈々と音楽活動してた時代が今のオレを形成してる原点になってるのは事実だから。
もし、東京で降りてたら作る歌も違うものになってただろうね。・・・そう考えると、人生っておもしろいなって思うんですよ。』
-矢沢永吉
大きなことを小さくとらえ、小さなことを大きくとらえる力。
これは、何もYAZAWAのような大きな夢や、波乱万丈な人生を送る人にだけ当てはまる話ではない。
僕らは、みんな日々の『小さな選択』によって、人生の流れを大きく左右させてきたのが事実なんだ。
もしも、あの日、あの時、ちがう席に座ってたら・・・
もしも、あの日、あの時、あの人の“あの一言”がなかったら・・・
きっと、あなたの今(結果)にいたる原因をずっとたどっていくと、一見どうでもいいような些細な出来事があったからこそ、今に繋がっていることが分かる。
つまり、『大きなこと』はすべて、軽視されがちな『小さなこと』の重なりによって訪れているんだ。
実は、『小さなこと』なんてひとつもないと言ってもいいのかもしれないよね。
けど、僕らの日常の意識はどうだろう。
大きな問題にはすぐ囚われるが、目の前の小さなことにはいい加減になってしまいがちではないだろうか。
仕事上のトラブル・・・、愛する人との別れ・・・、年金不安・・・、政治家の不祥事やら環境問題やら・・・
挙げればキリがないほど、僕らにとって『誰から見ても大きな問題』は絶えることがない。
しかし、大きなことをそのまま大きく捉えるのはカンタンだが、重要なのはその陰に隠れた小さなことを大きく捉えて目を向けること。
多くの場合、大きなことは“必要以上に大きく捉えている” 場合も多いからこそ、
『大事の前の小事』に全力フォーカスするくらいで、バランスが取れるのだ。
神は細部に宿る。
– アビ・ヴァールブルク
目の前の小事を侮るなかれ!そのバタフライ効果が人生を大きく展開していく。
バタフライ効果とは・・・
一匹の蝶のひと羽ばたきが、めぐり巡って、まったくちがう場所でトルネードを引き起こすように、ほんの小さなことが、あらゆる不確定要素と重なり、次第にとんでもない大きな出来事の引き金に繋がっていくこと。
そしてそれら以上に、「どんなに初期の誤差が小さくとも時間経過や組み合わせによって大きな影響が現れ、どんな未来が訪れるかは誰にも判らない」と言う事を意味する言葉でもある。これは人生観・世界観を語る上でも有効であり、未来を正確に予測する事は誰にも不可能である事を示す場合に用いられたしている。一匹の蝶が嵐を起こすように、一匹の蚊や蝿が時に歴史を動かす事もあるかもしれない、という事である。
参照:ニコニコ大百科
これと似た日本のことわざでは、『風が吹けば桶屋が儲かる』ということばもあるよね。
タイのことわざ『水牛を殺して唐辛子を惜しむな』も同じ意味だ。
ぼくらのありふれた毎日は、小さな出来事であふれてる。
刺激的でドラマティックな大イベントを待ち望みながらも、自分の人生の平凡さにうんざりしてる人もいるかもしれない。
でも、その「小さな出来事」と「大きな出来事」は繋がり合っていることが分かると、日常がドラマのように彩られていく。
いつもどおりの道を歩き、
いつもと同じコンビニに寄って、
いつもと同じ缶コーヒーを飲みながらでも、
それは決していつもと同じ「繰り返し」ではないことに気付く。
そして、それは自分次第であらゆる事象に影響を与えていくことも・・・
そう、この記事を読み終わったあなたが、部屋を出るとき
たとえば「扉の開け方ひとつ」その微妙な変化ですら、時空ライン(運命)を大きく変える可能性を秘めているのだから。
そんなキモチで“いま、この瞬間” を大切に噛みしめられる人が、夢を叶えていく人なのではないだろうか。
逆に、そんな「今この瞬間の大事さ」を感じられてさえいれば、
その後のバタフライ効果のもたらす時空展開を完璧に予測することなど不可能なのだという事実にも気づけたなら、そんな不確定な未来を小さな脳みそで予測して思い悩むこともない。
人事を尽くして、天命を待つのみなのだ。
ボールが手から離れたあとは、 何もできないのだから。 ボールを手から放したあとは、 何も考える必要はない。
– マイケル・ジョーダン
さぁ、今日から実践してみよう。
みんなが慌てふためくような一大事はなるべくなるべく小さく(冷静に)捉え
みんなが見過ごしがちな小事をなるべく大きく(可能性を感じ)捉える力。
それがバタフライエフェクト時空法則の心得なのである。
小さなことが小さなことでない。大きなことが大きなことでない。それは心一つだ。
– 有島武郎
すべては一匹の小さなねずみからはじまった。
– ウォルト・ディズニー
私たちはこの世で大きなことはできません。小さなことを大きな愛でするだけです。
– マザーテレサ
およそ小人の罪として、 大きなことを望んで小さなことを怠り、 でき難いことを憂えてできやすいことを勤めない。大きな事業を成就しようと思うならば、 小さなことを怠らず勤めなければならない。 小が積もって大となるからである。
– トーマス・エジソン
些細なつまらない用事はいい加減にするというようなことは、 それが習癖になって、ついに 大事なことまで粗末にするようになるものである。
– 本多静六
大きなことを望むなら、小さなことを怠ったり粗末にしてはいけない。 『すべての偉大な達成は、 小さな達成の積み重ねの結実である。
– コリン・ターナー
小さいことを重ねることが、 とんでもないところに行くただひとつの道。
– イチロー
およそ完全無欠の仕事というものは、 多くの小さな注意と小さな仕事とが相集まって成るものだ。 ゆえに大事を完成するものは細心の注意と努力なのである。
– ミケランジェロ
ステップ・バイ・ステップ。 どんなことでも、 何かを達成する場合にとるべき方法はただひとつ、 一歩ずつ着実に立ち向かうことだ。 これ以外に方法はない。
– マイケル・ジョーダン
小さな小さなひとしずく
それは、やがて大海へと繋がっていく・・・。