人体の左重心・右重心のヒミツ。重心と感受性は連動する話
骨格と重心、感受性=性格は連動する。
以前投稿しました、進化系体癖論『ボディフィギュア理論』
その応用編として、
「体の重心の左右への偏りが、どのような観測のクセを生み出すか」
について語っていきたいと思います。
目次
骨格と重心、感受性は連動する
さて、骨格によって感受性が変わるのは、その骨格によって人体の重心の位置が変わるからです。
つまり簡単にいうと、
体の重心が上に上がりやすい骨格と下に下がりやすい骨格、
前方に偏りやすい骨格と後ろに偏りやすい骨格、
中心に圧縮されやすい骨格と広がりやすい骨格などの種類があって、
そうやって重心がどこに偏りやすいかによって生まれる感受性のクセが、
これまで記事で紹介してきた、各々のボディフィギュア(全10種)の特徴です。
そして、その様々な重心の偏りを修正していき、
一番バランスのとれた位置に重心を置いたのが、丹田=下腹重心の状態ってことになります。
そこで今回は、その重心の偏りの中でも一番分かりやすい左右の重心の偏り、つまり『右重心と左重心』について記していきましょう。
右重心と左重心の意味は?
さて、まずはじめに、人体は左右対称にはつくられてはいません。
もちろん、身体の使い方が左右で偏ったことで、姿勢が左右どちらかに傾いてることもありますが、
そもそも心臓をはじめ、全身の臓器や血管が全くもって左右対称には配置されていないことからも、
元来人体の右と左ではそれぞれ別の役割があることがわかります。
そして、実は身体の左側は「自分」、右側は「他者」への観測とつながっています。
「因果の法則」なんてことを聞いたことがある人もいると思います。
善い行い、悪い行いは必ず自分に返ってくるというそれは、実は体にも帰ってきてる。結果、病気や症状にもこの法則を当てはめて捉えることができるのです。
たとえば、以前下の記事で紹介したとおり、
同じ親指の外反母趾でも、
●左足の外反母趾の場合は自分に対しての出来or不出来に囚われており、
(言い換えるとプライドに囚われており)
かたや、
●右足の外反母趾の場合は、他者の出来不出来に囚われている。
(それは言い換えると他者への好き嫌いに囚われてるともいえます。)
そうやって、身体の一つの部位で左右のどちらに症状が出ているかだけでも、違いが出てしまいますから、
それがカラダ全体の重心の偏りとなると、それは私達の観測のクセにとてつもない影響があるわけです。
そして、重心の位置は、言い換えると体のどこに「重き」を置いているかということですから、結論から言うと、右重心は他者に、左重心は自分に重きを置いているってことになります。
ここから先は右重心と左重心それぞれの感受性について見ていきましょう。
右重心の感受性
さて、まず右重心の感性ですが、先ほども話したように「他者の体に重点を置く」ことです。
つまり、自分自身の感受性よりも他者の感受性や環境を優先するってことになります。
この感性がポジティブに働いた場合、他者の魅力に気づくのが得意だったり、周りを頼るのが上手かったり、目上に対して素直に憧れを示すので可愛がられやすいのです。
ボディフィギュアでいうと、胃袋左右型の陽極、なで型フィギュア(体癖3種)が右重心になりやすく、この傾向が強いといえます。
思い返してみてください。なで肩傾向で丸顔な人が、その可愛らしさと素直さで先輩や上司なんかに可愛がられてることって、よく目にしませんか?
ナチュラルなブリっ子ができるのも、このなで型フィギュアだったりします。
一方で、この感受性がネガティブに働く場合、外部環境に依存しすぎたり、長いものに巻かれる日和見主義になってしまったりします。
そうなると、「自分がなぜ今ここにいるのか?」その自らの背景=「由縁」を忘れ、その背景を無視した、その場その場の感情に勢いで身を任せ、ますます自分が何をしたいのかがわからなくなってしまう。そんな悪循環に陥りがちです。
また、空気の悪い家族や学校、職場など、自分が本当は納得していないような外部環境にいる時には特に注意が必要です。
右重心の偏りが強いと、本人の意思に反してその環境に巻き込まれてしまい、望まない悪影響を受け続けることになりかねませんから。
左重心の感受性
次は左重心です。
左重心は右重点とは逆で、他者よりも自分の感受性に重きを置く。
ただ、「自分に重きを置く」っていうと自己中心的と思われがちだが、必ずしもそういう意味じゃありません。
どちらかというと、「他者の人体の感覚よりも、自分の人体の感覚の方に優先順位を持たせる」って方が正確な表現かもしれません。
その感受性がポジティブに働いた場合、自己解析能力の高さや、譲れない自分の大切な感受性や自身の背景・由縁を大事にでき、外部環境に安易に流されないクールさ、自制心の強さなどとなって現れます。
ボディフィギュアでいうと、左右胃袋型の陰極、イカリ型(体癖4種)が左重心になりやすいのでこの傾向が強いといえます。
肩が突っ張って頬骨の出てるクールな人っていますよね。そういう人って感情を表にださず、じっと寡黙に仕事してる印象があると思うのです。
この左重心がネガティブに働いた場合、外部環境に関心を持てず、周りを素直に頼れなかったり、自分の感覚に酔って自分がいいと思うものを頑固に大事にしすぎたり、自分自身に過剰な期待をかけ、自身の出来不出来にこだわって自分を苦しめたりします。
良くも悪くも責任感が強くて生真面目ってことですね。
左右重心を統合する
ここまで右重心、左重心の特徴をそれぞれ紹介したました。
見てもらってわかる通り、この2つの重心傾向は一長一短で、「どちらが正しくてどちらが間違ってる」っていうものではありません。
大事なのは、この重心を左右のどちらにも偏りすぎることなく統合させることです。
そこで大事なのが下腹重心なんです。
ちなみに、注意してほしいのが、左右の偏りを統合させるというのは、「右重心、左重心の感受性をどちらも無くす」って意味ではないということ。
そうではなく、まずは右重心、左重心の両方の感受性を、その長所も短所も引っくるめて、むしろ存分に堪能することがカギになります。
なぜなら、「中心」というのは、はじめから中心を見つけようとして見つかるものではないからです。
右と左を同じように扱うのではなく、
右を右として、
左を左として、
そのどちらの違いも尊重し、右が左を、左が右を互いに “両想い” になること。
そうして、はじめて立ち上がるものが「中心」であり、下腹重心により立ち上がる丹田、そして正中線なのです。
そこにいたるためのメソッドとして、最も効果的な姿勢があります。
それが「蹲踞」
縄文人の休憩姿勢であり、相撲や武道でも見られるこの姿勢は、左右のバランスをとり、重心をさげることで「中庸」な精神状態を導くためにありました。
そんな蹲踞のやり方や詳しい効能についてはコチラから↓
そうして左右の重心が統合された時、人体は高度なバランス感覚を発揮します。
外部環境に共感・共鳴したい、誰かに頼りたいときには右重心を解放し、不本意な外部環境にさらされたときには左重心で踏ん張るといったように、頭ではなく体感で臨機応変に活用できる、融通無碍な人体にアップデートしていることでしょう。
最後まで読んでくださりありがとうございました。